化粧品は浸透する?

前2回でお伝えしたように、皮膚の第1の仕事はバリア機能です。
通常肌は何も入れません。
化粧品の水分や有効成分を肌に与えようとするとき、肌のバリア機能はある意味で障害となります。

皮膚構造のおさらいです。
皮膚は大きく分けると表皮と真皮に分かれます。
表皮の中でも4層に分かれていて、一番外が角質層です。
この角質層はブロック状になっていて、この部分には大きな分子の物でもある程度浸透します。
そしてそのすぐ下にある顆粒層と呼ばれる部分が肌のバリアゾーン。
ちょっとやそっとでは、何も入れないぞ!という役割を担っています。
肌構造

昔の化粧品はこの角質層にだけ働きかける物でした。
今の化粧品は、この肌のバリアゾーンを突き抜けて浸透する物が大部分です。

その理由の一つが化粧品に含まれる合成の界面活性剤です。
界面活性剤は水と油を混ぜて乳化します。
私たちの皮膚も「皮脂」という水と脂の膜でおおわれています。
界面活性剤が入った化粧品を使えば「皮脂」も乳化されます。
つまり、皮脂によるバリア機能が傷つけられるのです。

そして、もう一つが「トランスポーター」の発見です。
トランスポーターは分子量が極小の合成界面活性剤や溶解剤です。
もともと禁煙補助のニコチンパッチや心臓の薬であるニトログリセリンに使われていた医療用の物だったんですね。
こうしたトランスポーターが化粧品でも使われるようになったことで、バリアをくぐり抜けていろいろな成分を真皮に浸透させられるようになりました。

では、こうした成分が市場に出回るようになってもう随分たちます。
その結果、女性の肌は劇的に綺麗になったでしょうか?
むしろ私が聴くのは、「おばあちゃんは、顔あらって化粧水をぱっぱで終わらしていたけど綺麗な肌してたよ。」という声です。
なぜでしょう?

その答えは、一つは合成界面活性剤の氾濫です。
クレンジングに洗顔料にシャンプーにボディシャンプー。
夏なのに皮膚が粉をふいているという若いお嬢さんが増えています。
完全に皮膚のバリア機能も弱っています。

そして2つめにトランスポーターは運ぶ成分を選べないという事にあると思っています。
トランスポーターは、あらゆる物質を肌の内部まで届けられます。
でも物質の善悪は判断出来ません。
つまり化粧品に入っている物は何でも連れてゆきます。

多くの化粧品には、美容効果と関係なく入れている物が沢山あります。
例えば、界面活性剤に防腐剤や酸化防止剤、香料などです。
もちろんそういった成分にも安全基準はあります。
しかし、化粧品は医療品とは違って毎日朝晩、そして長年使うものです。

少し前に話題になったカネボウ化粧品の白斑被害。
あの化粧品も厚生省の承認を受け、その後2年間の市販後調査も行われていました。
その時点では何の問題も報告されて無かったのです。
ですが、会社が4名の被害を公表して以来、今年7月31日時点で4061人の被害を会社が認め、「重症」と定義されたのが1828人だそうです。

化粧品はこの30年の間に劇的に「進化」してきました。
しかし、その結果女性の肌が30年前と比べて劇的に綺麗になったでしょうか?
むしろ逆行していると感じているのは私だけでしょうか?
(お化粧の技術は向上しましたよね~(笑))

何を基準に化粧品を選びますか?
私たち美容に携わる者も消費者も、もう一度考え直す時期にきていると思います。

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